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検索語で行くか、ドメイン名で行くか

「Web Designing」編集部から、Webドメインマーケティングに関する最新の話題をレポートします。 (このレポートは、毎日コミュニケーションズ発行「 Web Designing」編集部から特別寄稿いただいた当Webサイト向けオリジナル記事です)

■URIよりも「○○で検索してね」とサイト誘導をアピールするテレビCM

現在、多くのユーザーはサイトへのアクセス手段として「Yahoo!」や「Google」などの検索エンジンを利用している。その理由には、純粋に未知のサイトを「探す」ためというものと、単純に「URI※1を覚えていない」という2つのパターンが考えられるだろう。特に後者の場合、「URIを覚えていない」というよりは、「URIを覚えるのが面倒だ」というのがユーザーの本音かもしれない。たしかに英数字によるURIは、多くの日本人にとって覚えやすいものではないし、長いものになれば識別もしづらく、入力時のミスタイプも多くなる。

また、URIを覚えづらくしているもう一つの要因は、探したいサイトのキーワードと、そのサイトのドメイン名が必ずしも関連しないという点が挙げられる。「Ask.jp」や「kakaku.com」のようにサービス内容とドメイン名がマッチしていればまだ覚えやすいが、そのようなサイトは少なく、通常は会社名などの固有名詞がドメイン名になっている場合がほとんどだ。たとえば無農薬野菜を専門に扱う山田商店という会社があったとする。仮に山田商店のドメイン名が「yamadashouten.co.jp」であれば、このドメイン名から無農薬野菜を連想するのは不可能だ。つまり、イメージしているものと関連性が薄く、しかも長いURIを覚えたり、直接入力するのは、ユーザーにとって非常に労力を必要とする行為だといえる。それなら自由な検索語からサイトを探せる検索エンジンを利用したほうが、てっとり早く目的のサイトへアクセスできると考えるのは、ある意味当然といえるだろう。

こうした背景もあって、最近ではSEO対策に注力しているサイトは多い。URIをアピールするよりも、その方がユーザーをサイトに誘導できる確率が高いからだ。「○○で検索してね」というテレビCMもあったが、これなどはまさに、その代表的な例といえるだろう。

芝浦アイランドのテレビCMでは、最後に「芝浦の島を検索してください」というメッセージが流された。

http://www.shibaura-island.com/

※1「URI(Uniform Resource Identifier)」は、この世界に存在するさまざまなリソースを識別するための一意の名前を与える構文である。一般的に「http:」「ftp:」などの慣用表現を「URL(Uniform Resource Locator)」と呼んでいるが、技術仕様書など正式な文書では、「URI」と表現するのが正しい。

■検索語をドメイン名として取得する逆転の発想

SEOの強みは、ユーザーが選ぶ検索語に、自由に自サイトを関連づけることができる点だ。この検索語には、企業や商品・サービスのショルダーフレーズが選ばれることが多い。たとえば、「無農薬野菜なら〜」とか「転職情報満載の〜」といった枕詞の部分がそれにあたる。しかも、複数のフレーズを検索語と定義してSEOを行うことで、サイトへの誘導率を高めることもできる。しかし、SEOの問題は、検索時に必ず上位表示される保証がどこにもない点だ。仮に一時的に上位表示されたとしても、それを維持していくためには膨大な費用が継続的に必要になってくる。

そんな中で非常にユニークなサイトがある。"健康をはかる"をキーワードに、ヘルスメーターから体脂肪計、さらには体を丸ごとはかる体組成計など特徴あるさまざまなセンサーを開発している株式会社タニタのサイトがそれだ。
同社のサイトのURIは「http://www.tanita.co.jp/」と、ごく普通のものだ。しかしタニタでは、このURIの他に「体重計.jp」や「体脂肪.jp」、「体脂肪率.jp」や「ヘルスメーター.jp」などの日本語ドメインを取得し、これらのドメイン名を入力すると、同社のWebサイトにリダイレクトされるようになっている。つまり、タニタのショルダーフレーズともいえる言葉を、ドメイン名として取得してしまうことで、効果的な本サイトへの誘導が図られているわけだ。さらにこれらの日本語ドメイン名そのものが、検索語とマッチしているだけに、ユーザーから見ても覚えやすいURIになっている。これは、URIは覚えにくいものだという前提で、検索語からサイトへ誘導しようするSEO的考え方に対して、検索語自体をドメイン名として取得し、そこから自サイトへリダイレクトさせるという、いわば逆転の発想といえるだろう。特に日本語ドメイン名の場合、ユーザーが使う検索語をそのままドメイン名として使えるというメリットもある。

タニタでは、「体重計.jp」、「体脂肪.jp」、「体脂肪率.jp」、「ヘルスメーター.jp」、「体組成計.jp」などの日本語ドメイン名を数多く取得し、すべてが自サイトにリダイレクトされるようになっている。

http://www.tanita.co.jp/

■これからの時代、日本語ドメイン名は、サイト誘導の重要なツールになる

日本語ドメイン名を含む国際化ドメイン名は、2003年にIETF※2においてRFC※3として標準化されたのを受け、数の上ではすでにほとんどのブラウザで利用可能となっている。しかし、ブラウザで圧倒的なシェアをもつInternet Explorerがまだ未対応であるという大きな問題は残っている(ただし、「i-Navi」や「JWord」などのプラグインをインストールすることで利用は可能)。それもあってかブラウザのアドレスバーに、直接日本語を打ち込むという慣習も定着していないのが現状かもしれない。しかし、検索語とドメイン名の両方を有効的に活用することは、サイトへの誘導を図る手段として非常に効果的だし、今後はさらにその流れが加速するのはまちがいないだろう。

そもそも企業であれ、商品・サービスであれ、その特徴を的確に表現したショルダーフレーズがあるもののほうが明らかに多い。また、何かのキャンペーンやイベントなどを開催する場合にも、「新生活応援」とか「○○市民限定」といったショルダーフレーズが必ずある。こうした言葉を、単にSEOの検索語と捉えるだけではもったいない。また、URIやドメイン名が覚えにくいものと、あきらめてしまうのもいかがなものだろう。いくつもの検索語に対してSEOを行うことを考えれば、検索語とマッチしたドメイン名を複数取得するのは、コストの面から言ってもたいしたものではない。だからこそ、検索語だけでなくドメイン名に対しても、こうした視点をもつことは、これからの時代、非常に重要な戦略になっていくといえるのではないだろうか。

※2 Internet Engineering Task Forceの略で、インターネットに関する技術の標準を定める国際的な組織。
※3 IETFが正式に発行する文書のことで、インターネットで利用されるプロトコルや、その他インターネットに関わるさまざまな技術の仕様・要件書。

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